豆まきは、年男（その年の干支生まれの人：今年12,24,36,48,60,72,84,96,108,120歳になる男性）

あるいは一家の主人が 「福は内、鬼は外」と言いながら煎った大豆をまき、みんな自分の年の数だけ豆を食べると

これから１年病気にならないと言われています。

また、妊婦のいるご家庭 ではこの豆を安産のお守りとします。

もともと宮中の行事が一般家庭に普及したものとされますが、最近は大きな神社などで芸能人やスポーツ選手などを

招い て豆まき大会をやっているケースも多いようです。

ところで、何故、豆をまくのでしょうか？

陰陽五行、十干十二支という考え方が大きく関わってきます。

皆さま、「鬼門」ってご存知でしょうか？風水や家相などの東洋占星術でよく使われる言葉で、北東にあたる方位が鬼門とされています。

では、なぜ北東の方位が鬼門なのでしょうか？

いろいろな説があるのですが、昔の中国の道教の影響があると言われており、冥府の神として信仰されていた

「秦山府君」が住むと言われていた山が北東にあったことから、冥府→北東→鬼門となったと言われています。

鬼門の方角は十二支では、丑と寅の方角（うしとら）に当り、鬼の姿はこの牛の角をもち、

トラのパンツを身に付けています。ここで、丑というのは12月を、寅は1月を指します。ちょうど12月か

ら1月にかけての季節の節目に「鬼門」があるのです。

鬼門は鬼の出入りする方角でこの邪気を祓うことにより、春が無事に迎えられると考えられていました。

では、鬼門の鬼をどうやって退治するか。そこで、「五行」という、古代中国の思想「陰陽五行説」が登場するわけです。

「五行」とは

「木火土金水(もくかどごんすい)」の五気の作用を差します。「木火土金水」とは、自然界に存在する全ての

ものを、「木」「火」「土」「金」「水」の五要素に分類する思想で、天地万物全てが、この五要素にあてはまり、お互いに

影響しあっているとする考え方です。

この中で、大豆は、五行では「金」に属します。なぜなら、この大豆は、硬いからです(^^)

硬いものというのは「木火土金水(もくかどごんすい)」の五行では「金」に属します。

この大豆は最初煎ることによって火気にあてられ、「火剋金（かこくきん）」の原理で剋（打ち倒すの意）された上、

「鬼は 外」といって外にまかれて捨てられたり、「福は内」といってまかれてから人々に食べられたりして、

要するに豆はみんな「やっつけられてしまいます」。

古来疫病や災厄というのも「金気」に属するものと考えられていました。

ですから、豆というのは、鬼をやっつける道具でありながら「実は鬼そのもの」であると言えるのです。

元来、豆まきというのは「邪気を祓う」為に行なっているのです。そしてそれは同時に、「金」の気を剋することで

「金剋木」で金気に剋されるはずの「木」の気、つまり春の気を助ける行事＝春を 呼ぶ行事とも言えるのです。